2026-06-01
不動産の売却は、一生に何度も経験することではないため、全体の流れが見えにくく不安を感じやすい手続きです。
しかし、最初に売却のわかりやすい流れをつかみ、自分が今どの段階にいるのかを把握できれば、余計な心配を減らし、納得しながら進めることができます。
そこで本記事では、売り出し前の準備から査定、媒介契約、売却活動、売買契約、引き渡し、さらに確定申告までを、初心者でも理解しやすいステップで解説します。
また、希望時期や希望価格を整理するコツや、仲介と買取など売却方法の違い、諸費用や税金でつまずかないためのポイントもあわせて紹介します。
これから不動産を手放すことを検討している人は、ぜひ一連の流れを確認し、自分に合った売却計画づくりに役立ててください。
不動産の売却は、一般的に「事前準備」「価格査定と媒介契約」「売却活動」「売買契約」「決済・引き渡し」というおおむね5段階で進みます。
国土交通省や不動産流通の基礎資料でも、査定から引き渡しまでの基本的な流れは全国共通とされています。
売却にかかる期間の目安は、査定や準備に約1か月、売却活動から契約締結までに約1〜3か月、その後の決済・引き渡しに約1〜2か月とされ、全体としてはおよそ3〜6か月かかるケースが多いです。
広島市でも、市場環境や物件の条件によって前後はしますが、おおよそのスケジュール感としてこの期間を見込んでおくと計画が立てやすくなります。
まず取り組みたいのは、売却の目的と希望条件を整理することです。
住み替え資金に充てたいのか、相続した不動産の整理をしたいのかなど、目的によって「いつまでに売りたいか」や「最低限いくらで売りたいか」が変わります。
一般に、不動産売却は価格を優先すると成約まで時間がかかりやすく、スピードを優先すると価格はやや抑えめになる傾向があります。
そのため、希望時期と希望価格の優先順位をはっきりさせ、売却後に必要となる資金計画とあわせて、無理のない目標ラインと譲歩できるラインを最初に決めておくことが、失敗を防ぐうえで大切です。
売却方法には、大きく分けて「仲介による売却」と「不動産会社による買取」があります。
仲介は購入希望者を探して成約を目指す方法で、時間はかかるものの、市場の需給が合えば高値を狙いやすいとされます。
一方、買取は不動産会社が直接買い取る方法で、成約までの期間が短い反面、一般的には仲介での売却価格より低くなる傾向があります。
広島市で相場を把握する際には、国土交通省の不動産取引価格情報や、地価公示・地価調査、広島市が公表している地価動向など、公的な価格データを複数確認しつつ、過去の成約事例や周辺の価格水準を重ねて見ることが基本となります。
| ステップ | 目安期間 | 主な確認ポイント |
|---|---|---|
| 事前準備・情報収集 | 約1か月 | 売却理由と希望条件整理 |
| 査定依頼・媒介契約 | 約1〜2週間 | 査定価格と売出戦略 |
| 売却活動・条件調整 | 約1〜3か月 | 反響状況と価格見直し |
| 売買契約の締結 | 約2週間 | 契約条件と手付金確認 |
| 決済・引き渡し | 約1〜2か月 | 残代金受領と登記手続き |
不動産の査定には、主に机上査定と訪問査定の2種類があります。
机上査定は、公示地価や取引事例などの公的データや周辺の売出・成約事例を基に、おおよその価格帯を算出する方法です。
一方、訪問査定は担当者が現地に赴き、日当たりや管理状態、リフォーム履歴などを実際に確認したうえで、より具体的な査定額を提示する手法です。
売却を前提に検討する場合は、机上査定で相場感をつかんだうえで、訪問査定で最終的な判断材料を得る流れが一般的です。
査定時に確認される主なポイントとしては、権利関係を示す登記簿謄本、面積や構造を示す登記事項、建築確認関係書類、管理規約や長期修繕計画などがあります。
また、購入時の売買契約書や重要事項説明書、固定資産税納税通知書などがあると、評価の根拠が明確になり、査定額の精度が高まりやすくなります。
机上査定では必須書類が少ない場合もありますが、訪問査定ではこうした資料を確認しながら、現況との相違がないかを細かくチェックします。
事前に分かる範囲で整理しておくことで、査定から売却相談までがスムーズに進みます。
不動産会社と売却の仲介を正式に依頼する段階では、媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があり、依頼できる会社の数や自己発見取引の可否、販売状況報告の頻度などが異なります。
国土交通省の標準媒介契約約款では、専属専任媒介契約は2週間に1回以上、専任媒介契約は3週間に1回以上の報告義務があり、指定流通機構への登録期限もそれぞれ定められています。
売却を検討する人は、希望する売却スピードや自分で情報収集にかけられる時間を踏まえて、どの契約形態が合っているかを事前に整理しておくことが大切です。
| 項目 | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 机上査定 | 短時間で相場把握 | 売却を検討し始めた人 |
| 訪問査定 | 現地確認で精度重視 | 売却を具体的に進めたい人 |
| 媒介契約 | 売却条件と活動内容の約束 | 正式に売り出したい人 |
売却活動が始まると、まず不動産会社が広告を行い、物件情報を整理して公開します。
そのうえで、電話やメールによる問い合わせ対応を行い、購入を検討している人の希望条件や資金計画を確認します。
次に、内覧の日程調整を行い、当日は室内を整理整頓して明るさや清潔感を意識しておくことが大切です。
売主としては、設備の不具合やリフォーム履歴などを事前にまとめておくと、内覧時の説明がスムーズになります。
内覧を経て購入希望者が現れると、価格や引渡し時期、付帯設備の扱いなど、具体的な条件交渉に進みます。
まず、購入希望者から購入申込書が提出され、それをもとに売主と買主の希望条件をすり合わせます。
この段階では、価格だけでなく、住宅ローン利用の有無や引渡しまでのスケジュールも重要な確認事項になります。
双方が主な条件に合意できた段階で、売買契約書案や重要事項説明書の準備が進められます。
売買契約当日は、まず宅地建物取引士から重要事項説明が行われ、物件の権利関係や法令上の制限、設備状況、契約解除に関する条項などが説明されます。
その内容に納得したうえで、売買契約書に署名押印し、手付金を受け取るのが一般的な流れです。
このとき、売主は本人確認書類や実印、印鑑証明書、固定資産税納税通知書などを持参する必要があります。
さらに、収入印紙代や手付金授受に関わる振込手数料など、契約時に必要となる費用の支払い方法も事前に確認しておくと安心です。
| 段階 | 主な内容 | 売主の準備 |
|---|---|---|
| 売却活動 | 広告掲載・内覧対応 | 室内整理・情報整理 |
| 条件交渉 | 価格・引渡し調整 | 希望条件の明確化 |
| 契約締結 | 重要事項説明・署名押印 | 必要書類・費用準備 |
売買契約のあとに行う残代金決済と鍵の引き渡しは、通常、金融機関や司法書士の事務所などで一括して行います。
当日は、買主から売買代金が支払われることを確認しつつ、固定資産税などの精算や各種書類への署名押印を進めていきます。
同時に、司法書士が所有権移転登記の申請準備を行い、問題がなければ鍵の引き渡しをして手続きが完了します。
このように、決済当日は複数の手続きを短時間で行うため、事前に必要書類や持ち物を整理しておくことが大切です。
次に、売却に伴い必要となる諸費用として、登記に関する費用や印紙税、仲介手数料などがあります。
所有権移転登記自体の登録免許税は買主が負担するのが一般的ですが、抵当権抹消登記の登録免許税や司法書士への報酬は売主側の費用となることが多いです。
売買契約書に貼付する印紙税は、契約金額に応じて税額が定められており、売主と買主で折半するか、一方が負担するかを事前に取り決めておきます。
仲介手数料は上限額が宅地建物取引業法で定められており、決済時に精算するのが一般的です。
売却後は、所得税や住民税に関わる確定申告の要否を確認することが重要です。
不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、原則として確定申告が必要となりますが、自宅の売却については一定の条件を満たせば、居住用財産の特別控除や軽減税率、買い換えに関する特例などが利用できる場合があります。
また、譲渡損失が生じたときに、他の所得との損益通算や繰越控除が認められる特例も用意されています。
これらの制度を正しく利用するためには、売却した年の翌年に、国税庁の案内に沿って必要書類を準備し、期限内に確定申告を行うことが大切です。
| 段階 | 主な内容 | 売主の確認事項 |
|---|---|---|
| 決済・引き渡し | 残代金受領と鍵の受け渡し | 必要書類と精算額の事前確認 |
| 諸費用の精算 | 登記関連費用や仲介手数料 | 負担範囲と支払時期の把握 |
| 確定申告 | 譲渡所得の計算と申告 | 特例適用可否と必要書類の準備 |
売却のわかりやすい流れを把握しておくと、先の予定が立てやすく、不安も大きく減らせます。
査定から媒介契約、売却活動、契約、引き渡し、確定申告まで、それぞれの段階でやることを整理しておくことが大切です。
とくに売却理由や希望時期・価格、諸費用や税金のイメージを早めに共有しておくと、納得感のある売却につながります。
当社では、初めての方にも売却の全体像とスケジュールを丁寧にご説明し、お客様の状況に合わせた進め方をご提案しています。
具体的な流れや金額の目安を知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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