2026-07-24

家を売ると税金はいくらかかるのか。
不動産売却を検討し始めると、まず気になるのがこの点ではないでしょうか。
なかでも複雑に感じやすいのが、譲渡所得税や住民税などの仕組みです。
しかし、計算の基本となる考え方と手順さえ押さえれば、おおよその税額をイメージすることは難しくありません。
この記事では、家を売るときに発生する譲渡所得税の基礎から、短期・長期の違い、主な特例による税負担の軽減策、そして確定申告までをわかりやすく解説します。
売却後の手取り額を把握し、安心して不動産売却を進めるための参考にしてください。
自宅などの不動産を売却すると、その売却によって利益が出た場合に「譲渡所得」として課税されます。
ここでいう譲渡所得とは、土地や建物などの資産を譲り渡すことで生じる所得を指し、事業の売上や給与とは別の区分で計算されます。
なお、事業の棚卸資産として保有している不動産などは譲渡所得ではなく事業所得等に区分されるため、一般の個人が自宅を売却する場合とは取扱いが異なります。
まずは、この譲渡所得の考え方を押さえることが、不動産売却時の税金を理解する第一歩になります。
不動産を売却したときの譲渡所得は、「売却価格-取得費-譲渡費用」で求めるのが基本です。
取得費には購入代金のほか、購入時の仲介手数料や登録免許税などが含まれ、譲渡費用には売却時の仲介手数料や測量費などが含まれます。
このように、実際に手元に残る利益部分だけを課税対象とする考え方であり、給与所得のように収入全体から一定の控除額を差し引く方式とは仕組みが異なります。
そのため、取得費や譲渡費用の証拠となる書類をどれだけ残しているかが、税額に大きく影響します。
不動産売却による譲渡所得に対しては、所得税と復興特別所得税、さらに住民税が課されます。
土地や建物の譲渡所得は、給与所得などとは合算しない「分離課税」とされ、所有期間に応じて定められた税率を乗じて税額を計算します。
具体的には、課税される譲渡所得金額に対して、所得税分と住民税分をそれぞれ計算し、所得税には基準所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税が上乗せされます。
このように、家を売った後の税金は複数の税目が組み合わさっているため、全体像を整理して把握しておくことが重要です。
| 項目 | 内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 譲渡所得の対象 | 土地・建物の売却益 | 自宅売却が該当か |
| 所得の計算式 | 売却価格-取得費等 | 取得費証拠書類の有無 |
| 課される税金 | 所得税・住民税等 | 分離課税かどうか |
まず、不動産を売却したときの譲渡所得は、所有期間に応じて「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分かれます。
売った年の1月1日現在で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年を超えていれば長期譲渡所得として区分されます。
同じ利益額でも、どちらに該当するかによって適用される税率が変わるため、いつ購入し、いつ売却したかを整理することが重要です。
所有期間を確認する際は、取得日から売却した年の1月1日までの期間で判断する点に注意が必要です。
次に、譲渡所得にかかる税率は、短期か長期かによって大きく異なります。
一般的な土地や建物の譲渡では、短期譲渡所得に対する所得税率は15%、住民税率は5%、長期譲渡所得に対する所得税率は15%、住民税率は5%とされており、別途復興特別所得税が所得税額に対して加算されます。
実際の税額は、譲渡所得金額にこれらの税率を乗じて概算できますが、特例の適用や居住用かどうかなどで変動します。
そのため、大まかな税負担を把握する際は、所有期間と税率の関係を押さえつつ、最新の税率表を確認することが大切です。
実際の税額をシミュレーションするには、「売却価格-取得費-譲渡費用」で譲渡所得を計算し、その後に所有期間区分ごとの税率を掛けていきます。
取得費には購入代金や購入時の仲介手数料などが含まれ、建物部分については減価償却相当額を差し引いて計算します。
譲渡費用には、売却時の仲介手数料や測量費、売買契約書に貼付する印紙代などが含まれます。
これらの金額を整理したうえで、短期か長期かを判定し、それぞれの税率を用いて所得税・住民税・復興特別所得税の順に計算していく流れになります。
| 確認ステップ | 主な内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 所有期間の判定 | 売却年1月1日時点で区分 | 5年以下か超かを確認 |
| 所得金額の計算 | 売却価格から費用控除 | 取得費と譲渡費用を整理 |
| 税率の適用 | 短期長期ごとの税率使用 | 所得税住民税を概算 |
自宅として利用していた不動産を売却する場合は、一般の土地や建物の売却よりも税負担を軽くするための特例がいくつか用意されています。
中でも代表的なものが、譲渡所得から最大3,000万円まで差し引くことができる特別控除です。
この特例は、家を売却した年分の譲渡所得の計算の際に適用し、要件を満たせば所有期間に関係なく利用できます。
ただし、ほかの特例と同時に使えない場合もあるため、内容をよく確認しながら検討することが大切です。
3,000万円特別控除を受けるには、その家屋が自分や生計を一にする親族の居住の用に供されていたことなど、国税庁が定める一定の条件を満たす必要があります。
売却の前後に一時的に空き家となっている場合でも、居住しなくなってから一定の期間内であれば、居住用財産として扱えるケースがあります。
一方で、過去に同様の特例を利用している場合や、譲渡先が配偶者や特別の関係がある法人などに該当する場合には、適用が制限される点に注意が必要です。
適用の可否は、国税庁が公表しているチェックシートや解説資料を基に、事前に丁寧に確認しておくと安心です。
譲渡所得が発生し、かつ所有期間が10年を超える居住用財産を売却した場合には、長期譲渡所得の税率をさらに軽減する特例が設けられています。
この特例は、まず3,000万円特別控除を差し引いた後の課税長期譲渡所得金額に対して、一定の軽減税率を適用する仕組みです。
また、自宅を売却して新たな自宅を取得する場合には、買換えや交換に関する特例を利用することで、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べられる制度もあります。
さらに、譲渡損失が生じたときに、他の所得との通算や翌年以降への繰越控除が認められる特例も用意されており、売却益が出る場合だけでなく損失の場合も制度の確認が重要です。
| 特例の名称 | 主な内容 | 主な適用の場面 |
|---|---|---|
| 3,000万円特別控除 | 譲渡所得から最高3,000万円控除 | 居住用財産を売却した場合 |
| 所有期間10年以上の軽減税率 | 控除後の長期譲渡所得に軽減税率 | 10年以上所有の自宅売却時 |
| 買換え・交換等の特例 | 譲渡益の課税を将来へ繰り延べ | 自宅売却と新たな自宅取得時 |
家を売却して譲渡益が出た場合、多くの方が翌年の確定申告が必要になります。
一般的には、売却した年の翌年に、国税庁の確定申告書等作成コーナーや税務署窓口を利用して申告書を作成し、提出します。
このとき、「確定申告書」「譲渡所得の内訳書(土地・建物用)」に加え、売買契約書や登記事項証明書、仲介手数料の領収書など、譲渡価格や取得費・譲渡費用を証明する書類を揃えておくことが重要です。
あらかじめ必要書類を整理しておくことで、申告手続きがスムーズになり、申告内容の誤りも防ぎやすくなります。
確定申告の期限は、その年の所得税等の申告期間として国税庁が定める期間内とされています。
例えば、令和7年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告期間は、令和8年2月16日から令和8年3月16日までと案内されています。
この期間内に申告と納付を行わなかった場合、申告が遅れた日数や納付の遅延状況に応じて、無申告加算税や延滞税が課されることがあります。
そのため、売却後は早めに譲渡所得の概算額を把握し、申告・納付のスケジュールを意識して準備しておくことが大切です。
不動産売却の税務は、譲渡所得の計算や各種特例の適用有無など、専門的な判断が必要になる場面が少なくありません。
国税庁の「土地や建物を売ったとき」や「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」などの案内では、申告が必要となるケースや特例の位置付けが整理されていますが、実際の適用可否は個々の事情によって異なります。
そのため、売却前から、売却価格の見込みや取得費の資料、ローン残高、居住期間などを整理し、税理士などの専門家へ相談しておくと、特例の活用や納税資金の準備を、より計画的に進めやすくなります。
結果として、売却後の確定申告や納付段階で慌てることなく、落ち着いて手続きを行うことができます。
| 段階 | 主な手続き内容 | 事前に準備したい書類 |
|---|---|---|
| 売却前の準備段階 | 取得費や居住状況の整理 | 購入時契約書・領収書類 |
| 売却完了から年末まで | 譲渡所得の概算と特例確認 | 売買契約書・仲介手数料明細 |
| 翌年の申告期間中 | 確定申告書と内訳書の提出 | 登記事項証明書・各種証明書 |
家を売ると「いくら税金がかかるのか」が分かれば、不動産売却の不安はぐっと小さくなります。
譲渡所得税は「売却価格-取得費-譲渡費用」で計算し、所有期間によって税率も変わります。
マイホームの3,000万円特別控除や軽減税率などの特例を使えば、税負担を大きく減らせる可能性があります。
当社では、お客様の状況を丁寧にお伺いし、使える特例や概算税額を分かりやすくご説明します。
「自分はいくら税金がかかるのか知りたい」「損をせずに売却したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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